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読売新聞の記者はなぜ「捏造」したのか? 「訂正記事にも問題が…」というまさかの展開に驚いた!

2024/05/07
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 今回はこちらの「事件」についてです。

『読売新聞記者が諭旨退職、幹部も更迭へ 紅麹サプリ巡る談話捏造』(毎日新聞デジタル5月1日)

読売新聞4月17日付の夕刊 ©時事通信社

 この記事によると、小林製薬の紅こうじ成分入りサプリメント問題を巡る記事で取材先の談話を捏造したとして、読売新聞大阪本社は1日、社会部主任の記者(48)を諭旨退職、取材をした岡山支局記者(53)を記者職から外し、休職1カ月の懲戒処分にすると明らかにした。編集局幹部ら3人も更迭する方針だという。

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読売新聞はどう報じたか

 ではこのニュース、読売新聞はどう報じてきたのか。問題の記事は4月6日付夕刊だった。

『紅麴使用事業者 憤り 小林製薬製 回収・販売中止 打撃』(読売新聞)

 小林製薬と取引がある企業について書いている。商品の自主回収や顧客への説明に追われていると。ソーセージやベーコンを製造・販売する岡山県の企業の社長談話として、

「突然、『危険性がある』と言われて驚いた。主力商品を失い、経営へのダメージは小さくない」

「補償について小林製薬から明確な連絡はなく、早く説明してほしい」

 などが載っていた。写真には「『早く説明がほしい』と訴える森社長」というキャプションもあった。記事の見出しに「憤り」とあるのはそのためだろう。

ふわっとした「訂正」にザワザワ

 ところが、2日後(4月8日)の夕刊に「訂正 おわび」が載った。6日付の記事について次の社長談話を削除するという。