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「整備と修理で年間40~50万円くらい」「山道を攻めたりは絶対にしません」…無免許で“日産シルビア”を購入した女性が明かす“旧車”に惚れ込んだワケ

「整備と修理で年間40~50万円くらい」「山道を攻めたりは絶対にしません」…無免許で“日産シルビア”を購入した女性が明かす“旧車”に惚れ込んだワケ

旧車慕情――壊れるほどに愛しいあなた #2

2024/02/29
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 新しいモノがもてはやされる世の中で、「古きよき時代」を愛してやまない者たちがいる。往年の名車を現代によみがえらせる、旧車オーナーたちの素顔とは?

 今回は「Nostalgic 2days 2024」出展者のなかから、1991年式の日産・シルビアに乗る「えびさん」をご紹介。

これまで没頭するものがなかった人生をシルビアが変えてくれたのだとか

◆◆◆

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人生を一変させたシルビアとの出会い

 このシルビアは2年ほど前に買ったものですが、実はそれ以前には免許すら持っていなかったんですよ。大抵のことは電車と自転車で済んでいましたし、そもそも車というものにあまり関心がなかったんです。

 興味を持つようになったのは、妹に誘われて行った車のイベントがきっかけですね。妹は71のマークⅡに乗るくらい車好きなのですが、当時の私はさっぱりで、流されるまま会場に付いていって。

デートカーとして一世を風靡したS13型の日産・シルビア

 やっぱり見ていても何もわからないんですけど、1台だけ、たまたま目に入ったS14のシルビアがやたらと輝いて見えたんですよね。それまではずっと、何かに夢中になることなんてなかったのに、突然そこで「これに乗りたい」というスイッチが入ったというか。

 それからすぐに教習所に通いはじめ、実際にシルビアの専門店に足を運んだりもしていました。そこで「S13なら状態いいのがあるよ」と見せてもらったのがこの車ですね。今の車にはない角張ったデザインが新鮮で、その場で購入を決めたんです。

ドア下方の車名入りステッカーはお気に入りポイントのひとつ

 ただ、当時はまだ免許を取得する前だったので、ショップの人に取り置いてもらうよう頼み込んで。それからは「早く乗りたい」の一心で、とにかく教習所に通い詰めましたね。納車の日にはとにかく嬉しくて、一日中シートに座っていたことを覚えています。

メーターパネルに佇む「ちいかわ」

 両親には買ったことを納車後に報告したのですが、母親の第一声は「これ私の時代の車じゃん」でしたね。そう言うだけあって、はじめて乗せたときにもドアを一発で閉めていて……「さすがだな」って。今の車は弱い力でもドアが閉まるので、友達を乗せるときには必ずと言っていいほど半ドアになるんですけどね。

 やっぱり私が生まれる以前の車ですし、維持費はある程度かかっちゃいますね。ちょうど色々なところが壊れる時期なのか、今は予防整備と修理費合わせて年間40万円~50万円くらいかかっている感じです。今回も直前に燃料ポンプが壊れてしまって、ギリギリ修理が間に合ったんですよ。

今ではシルビアが親友のような存在に

 いつどこが壊れるかわからないので、山道を攻めたりは絶対にしませんね。週末に好きな音楽をかけながら、ゆっくり流して楽しんでいます。本当に、自分の価値観を変えてくれた車なので、これからも大事に付き合っていきたいですね。

「整備と修理で年間40~50万円くらい」「山道を攻めたりは絶対にしません」…無免許で“日産シルビア”を購入した女性が明かす“旧車”に惚れ込んだワケ

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